みるみるプロジェクト代表の鈴木です。
2026年9月20日~21日,北九州市小倉で開催の
第13回 日本小児診療多職種学会に参加しました。(会頭/倉重弘先生)
今学会テーマは「職種の垣根を越えて」
小児科医、看護師、薬剤師、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、心理職、保育・教育関係者など、子どもたちに関わるさまざまな職種が集まり、それぞれの専門性を持ち寄る学会です。日本小児診療多職種学会

そもそもは2012年、北九州市の小児科医倉重弘先生と故・市川光太郎先生により設立された研究会が発祥です。
会頭を務められた倉重先生と辰巳先生は同じ北九州で患児のための連携を深く重ねて来られた経緯があり、平良COは第1回から参加しています。
私たちも、子どものみる力を守る活動(特に園内検査活動)を続けるなか、眼科だけで完結しない課題を数多く経験してきました。
子どもは、眼科にいる時間はごくわずか。日常の中心は家庭/園/学校であり、見守る小児科があり、療育や福祉があります。
COが眼科の外にいる人たちとどうつながるかも、プロジェクトの大切なテーマと考えています。
今回の学会は、まさにそれを考え実感する二日間となりました。
みるみるも演題発表
今回、私たちも一般演題口演いたしました。また親交の深いCOの方々の口演も併せご紹介します。

(一般口演)▶園内視力スクリーニングを核とした啓発活動~保育者との協働による実践報告~
みるみるプロジェクト 平良美津子CO
2023年から開始したCOによる園内視力スクリーニング検査と啓発活動報告をするとともに、保育者が「見えにくさはないか」観察眼が育まれる効果があると感じていることなど現場で得られた変化を紹介しました。

(一般口演)▶「園における眼鏡装用支援モデルの構築
~保育者・保護者・医療者の協働~」
みるみるプロジェクト代表理事 鈴木達朗
未就学児の眼鏡装用は今後もさらに増えていくと予測されます。弱視早期発見が進み、近視増加、羞明対策の進行が背景にあります。
一方、実際の生活の多くを過ごす保育園・幼稚園では、眼鏡装用を積極的に応援しにくい背景があります。今回は保育者のアンケートやヒアリング内容を元に、医療専門職がどのように園と保護者を支援したら良いか、活動報告を行いました。

(教育講演)▶成長期のこどもの目~正常な視機能の獲得を目指して~
大里眼科クリニック/みるみるプロジェクト特別顧問
小児眼科医 辰巳貞子 先生
約1時間の特別講演。眼科領域以外の方々に広く知ってもらう斜視や弱視の検査/診療を事例を交えながら講演されました。1秒も無駄のない濃密な講演だったと好評でした。

(一般口演)▶早期発見後も介入までに時間を要した偏心固視症例の経験~就学前の視機能発達と多職種連携を考える~
みるみるプロジェクト 平良 美津子 CO
早期発見の重要性をあらためて痛感する口演でした。
子どもの視機能発達の時間は待ってくれません。発見する人、保護者、園、眼科医療機関。
それぞれが少しずつ役割を広げ、子どもがその“隙間”に落ちてしまわないようにつなぐこと。今回の症例報告は、多職種連携の意味をあらためて考える発表でした。
子どもの経験が、未来のCOを生むことも

日頃から親交の深い若山里音COから
「小児期の医療体験がキャリア形成に与えた影響
~視能訓練士となった1事例~」
というとても感慨深い発表がありました。
患児として永年眼科通院を経験した子どもが成長し、今度は医療者として子どもたちを支える側になる。
一人の子どもとの出会いや医療体験が、その子の人生や職業選択にまでつながっていく可能性がある。
自身の経験から、CO職種を、今後もっと積極的に自己紹介していきませんかという若山さんのメッセージもとても良かったです。
増えてきたCO口演
小児診療多職種学会は、倉重先生のご尽力により眼科領域の演題が増えてきました。

(一般口演)▶北九州市における視能訓練士の配置実態と地域ニーズに関する調査
北九州市立医療センター眼科 山下浩司CO
この北九州においてCOがどの程度配置され、採用ニーズがあるか。山下COによる調査報告がありました。来春開講の新学科にとってもありがたい発表でたいへん参考になりました。

(一般口演)▶神経眼科外来を受診した小児片頭痛の臨床的特徴と多職種連携における視能訓練士の役割
神奈川歯科大学附属横浜クリニック 君島 真純CO
第29回みるみるセミナーでも登壇いただいた君島COによる発表。会場の小児科医の先生方からも質問が多数寄せられ、小児の片頭痛が臨床現場にとっても大きなテーマであることを実感しました。まさに多職種連携ですね。
眼科以外の専門職発表を聞く
当学会では当然ながら、眼科以外の専門職による発表を数多く聞けます。
頭痛、姿勢、運動、心理、家庭環境、学校生活――。特に発達障害に関連する演題はとても多く、小児に対応するCOさんにもお勧めの演題が数多くありました。
視能訓練学科開講をお知らせ!

会場では、2027年春開講予定の九州医療スポーツ専門学校・視能訓練学科について多くの方にお知らせすることができました。
誰かが来てくれることを待つのではなく、
地域で人材を育て、地域で活躍してもらう仕組みをつくる。
会場内でも学科開設を紹介するポスターや資料をご覧いただき、多くの先生方から応援の言葉をいただきました。

会場では、小児科医でもある自見はなこ参議院議員ともお話しする機会をいただきました。自見議員は北九州が地元で、小児科・認定内科医でもあります。参議院
北九州視能訓練学科設立活動では早期からご賛同いただいています。
一つの学科をつくることが目的ではありません。
その先にいる子どもたちや患者さんへ、必要な眼科医療を届け続けられる地域をつくること。
今回の学会で多くの方とお話しする中で、その意味をあらためて感じました。
「職種の垣根を越える」の、その先へ
学会テーマは、「職種の垣根を越えて」でした。
単に他職種と仲良くするという意味ではないと思います。
それぞれ専門性をきちんと持ちつつ、少しずつ相手の領域を知る。
職種と職種の間に子どもが落ちてしまわないように、必要なところで重なり合う。
眼科医、視能訓練士、小児科医、保育者、学校、家族。
子どもを中心につながっていく。
みるみるプロジェクトも、眼科の中だけにとどまらず、さまざまな職種の皆さんと一緒に、子どもたちの「みる力」を支える活動を続けていきたいと思います。
そして同時に、その未来を担うCOさんの活躍を応援すること。
今回の小倉での二日間は、これまで続けてきた活動と、これから始まる視能訓練学科が一本につながったように感じる学会となりました。
ご発表・交流いただいた皆さま、ありがとうございました。


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