視能訓練士の本武です!
今回のコラムでは「視能訓練士と小児検査」について!
自分自身、新卒として臨床現場で働き始めた時を思い返してみると、できない・難しい検査が多かった記憶があります。その中でも特に難しいと感じていたのが「小児検査」です!
今回のコラムでは、
- 「なぜ働き始めた時に小児検査が難しいと感じていたのか?」
- 「臨床現場で働くなかで変わってきた考え方について」
- 「いまでは子どもたちとどのように向き合っているか?」
これから視能訓練士として働き始めている方、現在視能訓練士として働くなかで「小児検査は苦手だな~」と感じている方に向けて、このような内容で書いていきますね!
小児検査は集中力との闘い
小児検査はとにかくその子の集中力との闘いです。
臨床現場で勤務されている視能訓練士の方々は体感されていると思います。また視能訓練士を目指す学生の方々も臨床実習で小児検査を見学する際には実感されると思います。
視能訓練士の中で、「小児検査は難しい・苦手」と感じている方々は一定数いて、その理由は
- 集中力がなく、落ち着きがないから
- 検査を理解してくれるような説明が難しい
- 自分が思ったような回答をしてくれない
など様々あるかと思いますが、私の場合は「学生時代の学内実習」がきっかけで小児検査に対して苦手・難しい意識を持っていました!
【苦手意識のはじまり】きっかけは学内実習でした
小児検査に難しさ・苦手意識を持ったのは、養成校で行われる学内実習がきっかけでした。
小児検査を学ぶ学内実習では、
- 学生同士で2人一組になり、患児(子ども)役と検者役になる。
- 実習中、患児役は子どもっぽく振る舞う!
- 検者役は実際の子どもに対応するような言葉使いをする!
今でも覚えていますが、「なんだか恥ずかしい」、「子どもに対する言葉使いがぎこちない」といった感じです。
そしてここからどんどん沼にハマっていき、その後の小児検査の学内実習で苦手意識が深まり、養成校時代の最終学年での臨床実習でさせて頂いた小児検査の機会では、自分がぎこちなさすぎて完全に「難しい・苦手」という意識が根付いてしまいました。
臨床1年目~少しずつ変わってきた子どもたちとの向き合い方~
このまま小児検査に苦手意識を持ったまま、臨床1年目を迎えるのですが、自分が入職した大学病院では、不定期の月曜日に小児外来(先天白内障や緑内障など)、毎週火曜日に斜視弱視外来があり子どもたちと接する機会が多くありました。
私はいま視能訓練士として6年目を迎えるのですが、結果から言うと学生時代に感じていた小児検査への苦手意識はなくなっています。
日々の検査を通して
自分にとっての転機は、「入職した施設で小児検査が多かったこと」
臨床現場で働く前までの私の小児のイメージは、
- 子どもっぽい言葉で話さないといけない
- 検査は伝わるようにしっかり説明しないといけない
このように考えていました!でも日々、たくさんの小児検査をしていく中で、「視力検査でハンドルを渡しただけで同じ向きに合わせてくれる」、「普通に会話をして会話が成り立つ」という経験をして、これが自分の中の転機になり、今までの苦手意識は「学生時代に植えついた模擬の小児に対するもの」だと気づきました。
小児検査を難しいと感じている若手視能訓練士さんへ
小児検査を難しい・苦手だなと感じる理由は様々あると思いますが、いろんな経験をしてきた私からお伝えできることは、「たくさん小児検査すること」が1番大切だと思います!
私の場合は学生時代の学内実習で子どもに間違ったイメージを持っていてそれを引きずっていましたが、臨床に出て実際の子どもたちの検査にたくさん触れたことで考え方が180°変わり、今では自然な自分で子どもたちと接することができています!
集中力が続かなくて苦手だなと感じる場合
小児検査はその子の集中力との闘い!「子どもは集中力がないから苦手だな~」と感じたらどうやったら必要な検査結果を得られるか自分で考えて、見つめ直してみる!
皆さん、自分に問いかけてみて下さい!
・ただ検査をなんとなくやっていない?
・検査前にその子(患児)のカルテ内容を確認している?
・検査項目に優先順位をつけてから検査に臨んでいる?
・声掛けは工夫している?
この辺りを意識することで、
- 今日一番知りたい検査項目を優先してやってみよう!
- 「この前できていたよ!」、「いま上手にできているよ!」とやる気が出るような声掛けをしてみよう!
- ちょろちょろして落ち着きがない場合、時には少し強い口調で「はい、やるよ!、頑張るよ!」など言ってみよう!
というような気持ちが出てきて、小児検査がどんどん上手くなっていくと思います!
最後に
今回は「視能訓練士と小児検査」についてについて書いてみました!4月から新卒で働かれる方々は特に不安な気持ちもあると思いますが、小児検査に限らず、たくさん検査の機会を見つけて、自分なりに見つめ直して次の機会で改善を意識することでどんどん検査が上達していくと思います!最後まで読んで頂きありがとうございました。
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本武拓真PROFILE
本武 拓真(ほんたけ たくま)
年齢:31歳、出身:福岡県、在住:広島県
視能訓練士歴7年目|FP2級|みるみるプロジェクトアドバイザー
広島大学病院で勤務後、2021年からフリーでの働き方を選択し、若手視能訓練士向けのオンライン勉強会・相談会を開講。
個人眼科クリニック(2施設)の勤務、眼科・企業のHP記事執筆、セミナー講演なども請け負う。
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