近視学会に参加しました

視能訓練士の平良美津子です。

第5回日本近視学会総会に参加しました。

(会期 5/13,14日 会場 九州大学医学部百年講堂)

学会参加はいつも新鮮な感覚

土曜勤務後の友人視能訓練士と現地に向かいました。

同行した友人は視能訓練士3年目,学会初参加で緊張しながらもキラキラとした眼差しでのぞんでいました。

今では当たり前のように学会参加する自分ですが、参加したての新卒当時を思い出しました。

日常の院内業務とはまた違った会場、服装、雰囲気…何ともいえない緊張感と学びがありますね。

師匠 辰巳貞子先生も2日間丸々参加され熱心に学ばれていました。ご高齢にも関わらず辰巳先生の常に学び続けるお姿はいつも感銘します。本当にすごいです。

左から松井視能訓練士、辰巳先生、平良、みるみる鈴木代表

器械展示ブースは醍醐味!

若手視能訓練士の方から「学会ってどう過ごしたら良いですか?」と相談されることがあります。

聴講が大事なのは当然ですが実は同じくらい

器械展示ブースも重要ですよと伝えています。

各学会リモート参加が普及しましたが

リモートで出来ない体験ができます。

展示器械や情報に直接触れることができるとても貴重なチャンスです。

いろいろな業者さんが眼科訪問してくださいますが院内は落ち着いてお話しできないことも多く、学会場ならではの時間がとれます。

若手ベテラン関わりなく器械業者さん一人一人と顔なじみになり親睦することをお薦めします。

展示ブースで声かけられるのが苦手…と近づこうとしない方もいらっしゃると思いますがもったいないです。院内や書籍では得られない知識や情報を親切に教えてくださいますので自身が知らないことはどんどん聞くべきだと思います。

こうした方々の活動が眼科医療を支えてくださっています、リスペクトしながら親睦を深めましょう。

クリア電子【アイケアークリップ】も出展
未承認参考出品ながら盛況だった【レッドライトセラピー】機器

熱い「近視」&視能訓練士の活躍

眼科クリニックで勤務する立場では、近視はごくありふれたものであり(学童近視などは特に)古くから多くの来院がありますが、実は新しい領域でもある熱いテーマだと再認識しました。

近年「近視」が東アジアを中心に増加の一途をたどり、我が国も例外でないこと。

「近視進行」がその先に及ぼす影響、近視発症メカニズムや治療への学術研究が勢いよく進んでいることを肌で感じました。半年ごと1年ごとの大きな進展を感じます。

学会場の熱量でその勢いを感じ取れるのもリアル開催の素晴らしい点ですね。

毎日の外来検査をこなしながら学術研究に邁進し、活躍している視能訓練士に大いに刺激を受けました。

私の勤務するいくつかの施設でもマイオピン治療をしていますが、治療期間が長くなると検査や切替(濃度)のタイミングなどの種々の疑問が浮上してきます。

確かに診療マニュアルは施設ごとにあるのですが、ちょっと立ち止まった時にいくつかの症例報告、検討があると診療の参考になります。

今回、Myopia賞を受賞した小沢眼科内科病院 視能訓練士 高橋慎也さんと話す機会があったのでマイオピン治療について聞くことが出来ました。高橋さんは同じ養成校の出身ですが、いつも前を向いて突き進んでいくマインドに感銘しています。

myopia賞受賞の高橋さんと

教育シンポジウム

「近視抑制外来における検査の注意点」

を講演くださった

いくの眼科 視能訓練士 松田卓爾さん

近視の進行抑制治療の1つであるオルソケラトロジーにおける検査項目、各検査項目での留意点、症例を挙げての解説、患者(保護者)への説明を詳細に紹介いただきました。

中でも、各検査項目での留意点で

  • 「測定結果が平均するまで測定を試みること」
  • 過去に測定していたらその結果と照らし合わせ、検討すること」
  • 「同じ検査でも他機種で測定し検討すること」

というポイントはいつでも大切にしたい、とても重要な基本姿勢だと思います。

どのような検査にあたってもこれは基本であり、正確性を期す姿勢としてとても重要であることを再認識し、各施設内で共有しました。

ご活躍とともに素晴らしいお人柄の松田卓爾さん

どうしても「治療」といえば医師の分野。

これは「医師の指示のもと」で働いている自分も深く理解するところですが、学術発表は私たち視能訓練士でも「身近で確実に治療に携わることが出来る」内容でより励みになりました。

「近視」というキーワードで繋がった学術学会でしたが、久しぶりの現地開催で、母校の先輩、後輩、当時の実習生、会いたかった視能訓練士、はじめましての視能訓練士や業者さん、古くからの業者さん、現在進行形で共に活動している視能訓練士など親交が広がり、さらに深まったことは参加してとても意義のある時間でした!

eスポーツ研究団体FeRCでご一緒している福岡国際医療福祉大学潮井川修一先生

まだお会いしたことのない方々とも、いずれ学会場でお目にかかれたらと思っております。

もしいつか会場で見かけたら気軽にお声かけ下さいね。

平良美津子PROFILE

北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、1年間トラックドライバー。医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、一般社団法人みるみるプロジェクトを有志らと共に設立。検査/訓練に立ち会った患児はのべ7万人以上。現在複数の眼科クリニックで勤務。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動に積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。

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