視能訓練士の平良美津子です。
先日みるみるネット(一般向け発信)にて、2,3歳から関わらせていただいている学生さんお二人のインタビュー記事をアップいたしました。今回はその編集後記的なコラムです。
子どもを好きに
よく「平良さんは子ども好きなんですね」と言われます。
実は…大きな声では言えませんが…もともと子どもは好きではなかったのです。
「なんか面倒な存在だなぁ」というか、うるさいなぁ食べ方きたないなぁとか(笑)
なんともひどい感覚ですね。たぶん自分のコトしか考えていない人間だったんだろうなぁとお恥ずかしながら思います。
それが180度変わったのは師匠/辰巳貞子先生(大里眼科クリニック)のもと小児眼科に入職してからでした。
もちろんそれまでの眼科でも子どもは担当していましたし多少経験はありましたが…ここでの気づきは大きなものでした。
小児眼科は 眼というより 子どもそのものを育てている。
発達をお助けしていることの喜び。
毎回来院するたびに気がつく子どもたちの変化、成長。
得られるワクワク感、
その活き活きした生命力に心動かされました。
よく観察しようね
見学に来られる視能訓練士にはいつも
「まずその子をよく観察しようね」とお伝えしています。
観察。保護者様へのヒアリング。
多種多様な事情/状況/特性があり、一人一人をまず観察して把握しないことには検査もしようがないよね、とつくづく感じています。
この観察のなかで、子どもたちが可愛らしくて仕方ない!という感覚になりました。
私にとって子どもたちは…守ってあげたいとか育ててあげたいというより、仲間・お友だちという感覚に近いかもしれません。
まぁ、よく「会話の雰囲気が子どもとほぼ対等やね」と冗談半分に言われます。
私の実家は街の電気屋さんを営んでいました。小さい頃から近所のお客様と接したり家業の手伝いをしていたのもあって、もともと「人が好き」という要素はあったかもしれません。
さて今回、15年以上のお付き合いになるお二人の患児がいつの間にか立派な学生になり、視能訓練士を目指してくれています。なんとも嬉しいし、心の財産です。
かけがえのない出会いと豊かな成長の物語を発信できるので、
みるみるプロジェクトをやっていてよかったなぁと率直に思っています。
子ども後輩若手が大好きな理由。
私は後輩や若手の方々(視能訓練士だけでなくOMA,看護師,クラークなど職種構わず)が大好きです。
勤務でご一緒できてとても嬉しい、楽しい時間です。
人はいつまでも患児でも子どもでもなく、いずれ…いえあっという間に社会人/頼れる同僚になります。
新卒で入職して来た方がたった2,3年でとても頼れる存在になる。
この間まで患児だった方がこうして学生になり、気がつけば頼もしい視能訓練士になる。
年齢を重ねると3年5年があっという間に感じます。
若い日々が如何にかけがえのない時間だということがわかります。
学生や後輩には、伸びやかに日々を過ごして、
頼れる視能訓練士になって、いずれ教えて欲しい/私の師匠になって欲しいです。
いつの時代も、切りひらくのは若い人たち。
アドバイザーとして一緒に取り組んでくれている本武さんもそう。いまの若い同僚たちも。
わたしはそうした方々に伴走したり,後押ししたりしたい。
笑いながら楽しく仕事して欲しいと願っています。
この記事のアフタートーク音声配信しています。よろしければお聴き流しください
平良美津子PROFILE
北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、1年間トラックドライバー。医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、一般社団法人みるみるプロジェクトを有志らと共に設立。検査/訓練に立ち会った患児はのべ7万以上。現在複数の眼科クリニックで勤務。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動に積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。
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