遮蔽訓練とは、弱視や斜視の治療のために視力の良い方の眼を遮蔽して(塞いで)、悪い方の眼を強制的に使用させて、視力の発達を促すための訓練です。
とくに不同視弱視や斜視弱視の場合に行われることが多い訓練です。
遮蔽訓練する時間や取り組み期間については、眼科の指示に従ってください。
遮蔽の方法にはいくつかありますが、ここでは主に用いられることの多い「アイパッチ」についてご紹介します。
アイパッチには、直接肌に貼る「シールタイプ」(=いわゆるアイパッチとはこれを指すことがほとんど)と、「メガネの上からカバーするもの」(=布アイパッチと呼ぶ事も多い)があります。
お子様の状況によって、この「シールタイプアイパッチ」と「布アイパッチ」を上手に併用することをお勧めします。
眼科では、このシールタイプをお勧めされることが多くあります。
〇 しっかり確実に遮蔽できるため、高い訓練効果が期待できます。
▲ 直接肌に貼られることを極端に嫌がったり、
体質や季節によっては肌がかぶれたりする場合があります。
▲ 使い捨てであるため使用枚数が多くコストが気になるというお声も。
肌に直接貼るのではなく、メガネの上からカバーして使うタイプのものです。
メガネに脱着して繰り返し使えます。
〇 お肌に優しく、子どもがシールタイプほど極端に嫌がらないというお声も。
▲ 直接お肌に貼っているわけではないため、しっかり遮蔽できているか確認する必要があります。
メガネフレームの形状/大きさによってしっかり遮蔽できるかが変わってきますので、このあたりの確認がとても重要です。
市販されているメーカー製品のほか、ハンドメイド作家による作品もネット販売されており、
お子様が親しみをもってくれるよう可愛らしいデザインや柄など工夫をこらした作品も増えています。
あらゆるメガネに装着可能な【布アイパッチ】
※ご購入は全国の眼鏡店/眼科にて
監修:みるみるプロジェクト /
製造販売元:川本産業株式会社
シール・布アイパッチの
併用がお勧め
シールタイプから訓練が始まることがほとんどですが、このシールタイプを嫌がるお子様は意外と多く、「夏場に肌が蒸れたりかぶれたりしてしまい、子どもが極端に嫌がって貼ってくれない」 「嫌がるので訓練時間がなかなか伸びない、中断してしまった」など実際に多くの保護者様のお声をいただいています。
そこで、お子様の気分を替えたりする意味でも、「布アイパッチ」との併用をお勧めしています。
「シールタイプも布タイプもどちらも使ってみて、結局布タイプの方が指示通りの時間装用しやすかった」
「夏の汗をかきやすいシーズンは一日何枚ものシールタイプを使ったが布タイプを試してみて良かった」などの感想をいただいておりますので、
お困りの方は是非一度おためしください。
二つのタイプのそれぞれの特徴をふまえて、上手に併用して楽しく取り組みましょう。
ここでは「初めてアイパッチ訓練に1日3時間取り組むよう指示された」という仮の想定でお話しします。 最初から3時間通してアイパッチしてくれるお子様はほとんどいないと思います。 なにしろ、見えにくい方の眼だけを使うのですから嫌がるのは当たり前ですよね。
最初、多くの保護者様が、我が子が嫌がる姿をみて苦しい思いをされるようです。大丈夫。皆さん状況は同じです。慌てず、楽しんで取り組みましょう。
楽しくつける工夫
お子様が嫌がる場合は、無地のシールタイプに絵を書いたり、シールタイプの上から好きなキャラクターシールを貼ったりする工夫もされてはいかがでしょうか?
「少しでも嬉しい気持ちでトレーニングしてもらえるように‥」と、ご家庭でとっても可愛らしい キャラクターを描いていらっしゃいます。素敵ですね!
「また、お子様と同じように保護者の方もアイパッチを貼ってみて、『貼ってみようかな?』と思わせる環境を つくることも効果的です。
積み重ねで目標時間に近づける
アイパッチ訓練の目標時間は、通して出来なくても、合計時間の積み重ねで良いのです。
乳幼児でしたら… 朝のうた番組の10分だけしようね!
絵本を読み聞かせで…2冊だけアイパッチで頑張ろうね!
YouTube見るなら… 「この動画15分見ようね」と計算して見せる。
この一つ一つを出来るたびに褒めてあげる。
小学校に入ると帰宅してから遊び/習い事/宿題でアイパッチ時間も平日は中々取れない…
平日出来なかった分を休日少し多めに頑張など ≪積み重ね≫ で目標時間に徐々に近づいていけたら良いと思います。
アイパッチ訓練のヒントにしていただければ幸いです。
眼科の指示を守りましょう
〜 極端なやり過ぎに注意〜
アイパッチによる訓練時間ですが、とにかく眼科の指示に従ってください。
「1日3時間してください」など時間の指示もあります。
この時間は弱視の程度や斜視の種類などお子様の状態によって違いますので、
必ずかかりつけ眼科の指示時間を目標としていただきますようお願いいたします。
早く治してあげたいという気持ちから、「一日じゅうアイパッチしています!」という保護者様がまれにいらっしゃいますが、この場合こんどは遮蔽していた方の健眼が弱ってしまう(遮蔽弱視)ということも起こり得ます。
極端なやり過ぎに注意して、あくまで眼科指示の時間を目標に取り組みましょう。
みるみる手帳には「アイパッチの記録」ページがあり、この考え方に基づき毎日の合計時間を記録していくページにしています。 午前と午後、アイパッチできた時間を合計する形式にしています。 アイパッチ記録ページのみをダウンロードすることもできますので、よろしければ下記からご自由にダウンロードのうえ、ご活用ください。