第1回みるみるSHOPフォーラム開催

2022年5月25日

5月22日福岡県内にて、みるみるSHOP加盟店の合同研修交流会【第1回みるみるSHOPフォーラム】を開催しました。

▷ボーダーレスな学び＆交流の場

みるみるプロジェクトは、眼科医/視能訓練士/メガネ専門店/関連メーカーが連携し、こどもの眼を守り育てる社会づくりを目指すプロジェクトです。

こどもめがねは、子どもたちの心豊かな成長を助ける重要なツール。必要とするお子様には眼科がメガネ処方を行い、メガネ専門店はより品質の良いめがね提供が求められます。

そこで各地域のこどもめがね拠点【みるみるSHOP】加盟店は、眼科でどのような検査や治療が行われているのか学び、お店や会社どうしの垣根を超えてメガネ技術の研鑽を行っていきます。

【第1回みるみるSHOPフォーラム】コロナ禍でなかなか開催出来なかった合同研修を行いました。みるみるSHOP加盟店のほか、視能訓練士、視能訓練士を志す学生さん、レンズメーカーさんに参加いただきました。

▷小児眼科医による疾患解説

冒頭、小児眼科医/辰巳貞子先生（みるみる手帳監修）に、こどもの眼の発達と斜視弱視について丁寧に解説いただきました。斜視や弱視はメガネ店では絶対に検査できません。メガネ処方箋を受け取る立場として知っておきたい貴重な医学的解説をわかりやすいお話で拝聴しました。常に子どもたちの医療に熱心な辰巳先生のテキパキとした講義に、参加者も一気に脳が活性化する思いがしました。

▷小児眼科検査機器体験

続いて、小児眼科ではどのような検査が行われているのか？両眼視機能の大切さをあらためて学ぶ意味でも重要な体験を行いました。

シノプトフォア、カイロスコープ、バーリーディング、チトマスステレオテスト、アフターイメージ、SVS…想像以上に小児眼科の検査や訓練項目は多く、参加者からも驚きの声が。自ら体験することで、小児眼科の現場にたいして大いに理解が進んだと好評でした。こうした子どもの発達と両眼視機能への理解は、一見すると店頭業務と関係ないように思われますが、店頭での販売力に差がつくものと確信しています。

検査の解説や体験会は視能訓練士が担当。みるみるプロジェクト平良のほか、他施設勤務の視能訓練士も自ら参加くださり、素晴らしい交流の場ともなりました。

SVS（スポットビジョンスクリーナー、米国ウェルチアレン製）の普及は、乳幼児への広範なスクリーニング検査を可能にしつつあります。今後、我が国においても弱視斜視の早期発見化を促進するものとして期待されます。メガネ専門店にとっても馴染みのレフラクトメータ―の進化でもあるため、特に関心の高さを感じました。早期発見が促進されると？？店舗の品揃えやマーケティング対策にも影響する情勢判断が必要となってきますね。

（参照）平良のみるみる日記　3歳児健診とSVS　2021.07.13記事

▷主要販売製品解説

気になる店頭での主要販売製品（フレーム構成、レンズ推奨）については、みるみる代表鈴木が担当。こどもめがね専門店での実績データを参考に、技術とデザイン性のバランスを大切にした構成を各店と共有しました。

レンズメーカー/ニコン・エシロール様も参加。こどもめがね販売に際し、小児眼科からみて的外れなレンズ提案が無いよう、レンズ推奨の軸と価格構成についてディスカッションも行われました。各店の戦略再構築の参考にしていただければと思います。

また、近隣眼科医療機関に◎◎レンズ処方をお薦めしていく方法とは？等についても議論しました。

▷フィッティング研修

専門店として最も関心の高い、フィッティング研修を行いました。福岡市で30年間活躍している田島隆二氏（福岡市/メルック和白店）をお招きし、治療患児の特性や対応するフィッティング技術について、丁寧な解説と実技講習をお願いしました。店頭の商品ラインナップとも繋がるテーマとなります。田島氏は保護者やお子様から多くの支持を得ており、遠方からその技術と人柄を求めて来店されるケースも珍しくありません。

田島氏の誠実で穏やかなお人柄に、当初緊張気味であった参加者各位もとても和やかな雰囲気に。永年お子様たちのおかげで培うことができた技術を、のちの世代の方々にご提供していければと控えめに語る田島氏のお志に胸をうたれました。

高度なフィッティング技術には正解もマニュアルもありません。それぞれが自己研鑽しながらお互いを尊重しヒントとなるTipsを交換しあう…みるみるプロジェクトのスタンスを体現した時間となりました。

研修には、とても可愛らしいモデルさんが登場！兄妹お二人とも楽しくおしゃべりしながらモデルを勤めて下さいました。子どもがいる時間は素晴らしいですね、一気に場が明るくエネルギーに満ち溢れた時間となりました。

参加の加盟店スタッフ様はさすが！お子様とのコミュニケーションも抜群で、日ごろからお子様対応をしっかりされていることがうかがえます。みるみるSHOP仲間として今後も助け合えるネットワークを醸成していきます。

▷眼科側も感銘、連携の一歩

こどもめがね販売の活性化には、メガネ専門店と眼科双方が互いにリスペクトし連携することが大切。専門店同士が学び合うことだけでは不足。眼科（特に視能訓練士）がメガネ専門店/メーカーと交流し学び合うことが重要です。

今回、参加した視能訓練士からは「これほどメガネが奥深いものだと思わなかった」「お店の方のコミュニケーション能力が凄い」「患者様にはこういう交流で信頼し合えたお店で購入して欲しい」と感銘を受けた声をいただきました。今後、情報や知識交換のやり取りが出来る関係を構築する場としても機能し、フォーラムは盛会のうちに終了しました。