「みるみる手帳」は、様々な関係者の方々の想いを込めて制作されました。
今回は、手帳の監修を担当されたお二人に対談頂きました。
小児眼科医
辰巳貞子先生
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視能訓練士
平良美津子先生
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早期発見と関係者みんなで
辰巳
とにかくね、弱視・斜視は早期発見、早期治療が第一、こればかりよく言っているんですよ。
眼科の皆さんも、斜視による弱視ね、3歳で来院したけれども泣きわめいて全く検査にならなかった、という事例がありますよね。
でも「よく診られなかったから」…と結果的にほったらかしにならないようにしなければならないわね。
私はそういうときは「お母さん、おうちで写真撮ってきてね、プリントしてこなくて良いから、SDカードとかフラッシュメモリで持ってきてね」とお願いしています。
それで持ってきてもらって診察室のディスプレイに映し出すのだけれど、例えば、こっちの眼が寄りやすいねと。
片目がいつも寄っていれば、それは絶対に弱視になるわけだから、寄っていない方の眼に ピンボケの目薬を差す、パッチをする、そういう事を指導する。
それは1歳未満の視力が測れない子にも出来るわけです。寄っていれば絶対にその眼は発達しないわけだから。
ついつい、「じゃあ次回検査できるようになる頃に来院してね」となりがちなのだけれども、そうしている間に小学生になってしまった、うーん、視力どこまで上がるかなぁと心配になる子どもにも多く遭遇しています。
平良
3歳児健診で、斜視が疑われるなどで紹介して来られる小児科の先生もとても増えているように感じます。
弱視斜視早期発見へのご理解が、小児科の先生方にも広がっているのは確かだと思います。
辰巳
小児科の先生方だけでなくて幼稚園保育園の先生方にも、充分ご理解とご注意頂きたいなと思っています。
メガネをかける事について、抵抗される幼稚園もあります。転んでケガをされたら困る、等の理由でね。
外遊びの時はメガネを外してください、と園側が指示するなどの事例です。そういう話を保護者さんから聞いて、園に手紙を書いたり電話で説明したりしたこともあります。
なぜメガネが必要なのか、治療用メガネだからお友達に触らせないようにしてください、激しい運動の時には短い時間なら外してもやむを得ないけどきちんとケースにしまうようにしてくださいとか。
子どもがメガネをかけていない時には園の先生からもかけるよう注意してくださいとか。
この辺りは小学校に上がってからも同じですね。同じ事はもちろん保護者さんに説明するのは当然ですが。
こういう指導や指示は、やはりメガネのかけ始める時期が特に重要ですね。メガネをかけている事によるイジメなんかも無いようにしないと
平良
大里眼科に就職させて頂いたときは、「あ、私いままで小児をあまりやってこなかった」という想いで就職面接した事を思い出しました。
本当に子どもたちが可愛い!と思うようになったのは大里眼科就職後です。やっぱり先生の診療への姿で。