こんにちは、みるみるプロジェクト視能訓練士の平良です。
夏休みが始まりましたね!夏休みは子どもたちの眼科受診がとても多いシーズン。
そこで今回は夏休みコラム②です。
▷学校健診結果を持ってるお子さんは!
小学校や中学校で受けた学校健診の結果、視力で【C】以下だったお子さんは、眼科受診を推奨されていると思います。
※わたし個人は、【B】でもお勧めしたい
まだ受診していないお子さんはこの夏休み期間を利用してぜひ眼科を受診しましょう。
眼科での検査は、学校で行ういわゆる「視力検査」だけではなく、「屈折検査」「両眼視機能検査」も行います。
「屈折検査」は見えにくさの原因となっている近視や乱視などの程度(屈折度数)を精密に測る検査です。これは検査機器(レフラクトメータなど)や自覚的屈折検査(レンズを入れ替えながら行う検査)、他覚的屈折検査(調節麻痺薬を用いた検査)を実施できる検査スタッフが必要なため、眼科受診が必要なわけです。
ちなみに私たち視能訓練士の基本的な業務の一つがこの屈折検査です。
▷遠見視力と近見視力
ところで…視力が低い疑いがあるので眼科受診になるのですが、この「視力」実は二つあることをご存じでしょうか。
「遠見視力」と「近見視力」といいます。
一般的に「視力が…」というときのほとんどは「遠見視力」を指していることが多いです。スポーツするとき教室で黒板を見るとき、大人は運転するとき…日常生活で遠くを見る力、大切ですね。
ですが同時に、近くを見る力=「近見視力」もとても大切なんです。本を読む、文字を書く、スマホやパソコンを見る…日常のあらゆる場面で近見視力は遠くと同じように重要です。
「遠くが良く見えていれば近くは見えているはず」
ほとんどの人はそう思いがちですが、実は意外とそうではないケースがあります。教室でいえば黒板の字はよく見えているのに、教科書が見えにくい…そういうお子さんもいらっしゃいます。
できれば眼科では、遠見と近見 どちらも定期的に測り見え方をチェックしてあげたいですね。
▷夏休み前半をお勧めする理由
夏休みは約1か月。わたしは、学校健診結果で眼科受診するなら、
「なるべく夏休み前半に眼科受診した方が良いと思います」
とお伝えするようにしています。
眼科受診の結果、近視をはじめ何らかの見えにくさがわかった場合、そのお子さんの日常生活に眼鏡が必要となるケースがほとんどです。こうした場合多くは眼科で「メガネ処方箋」が発行されることになります。
見えにくさを放置することはその子の豊かな学習機会を損ねてしまう可能性があります。遅くても夏休み後の新学期はきちんと度数をあわせた眼鏡で登校して欲しいと願っています。
「メガネ処方箋」をもらったらメガネ専門店で新しく眼鏡を購入することになると思いますが、メガネはその場ですぐ出来るものとは限りません。一人一人の顔や眼に合わせたオーダーメイドがメガネの基本ですから、むしろ完成に数日~1週間程度かかるのが普通です。
新しいメガネに慣れる期間も必要ですね。夏休み後半の眼科受診では「眼鏡が新学期に間に合わない!」ということにもなりかねません。
これが、夏休み前半の受診をお勧めする理由です。
眼鏡購入の際は、しっかりとお顔の形状に合わせてフィッティングを丁寧にしてくれる専門店でお選びください。
平良美津子 PROFILE
北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、1年間トラックドライバー経験。医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、有志らと一般社団法人設立。現在複数の眼科クリニックで勤務。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動にも積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。
コメント
コメント一覧 (3件)
[…] […]
[…] (関連ページ)眼科でどんな検査?遠見/近見視力などについてはこちら … […]
[…] […]