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背筋がピン!明日からはじめる「パー2個ぶん」-みんなの眼の習慣

こんにちは、視能訓練士の平良です。

最近、子どもの近視について聞かれることが本当に増えました。

「眼に良い食べ物とかありますか?」

「日頃どんなことに気をつけたらいいですか?」

保護者や保育士さんからよくいただく質問です。

みるみるプロジェクトは、これまで園内視力検査に取り組み、検査した園児は累計3,700名を超えました。

その中で私自身、とても驚いていることがあります。

近視は本当に増えている…

「もしかすると近視では?」と疑わしい園児が、想像以上に多いことです。

もちろん、園内検査だけで近視と診断はできません。その後の眼科受診で眼科医によって診断されるものです。

それでも、多くの園児を実際に検査していると「未就学児でも近視を意識しなければ」と感じる場面が少なくありません。

私は長く小児眼科で検査をしてきましたが、園という生活の場に出たからこそ実感しています。

眼科の中だけにいたら、この近視の低年齢化は実感しなかったかもしれません。

※子どもの近視、まず知っておきたいことはこちらの記事でも詳しく紹介しています↓

「30cm以上離す」にはちゃんと理由が

人は近くのものを見るとき、眼はピントを合わせる「調節」と、左右の眼を内側へ寄せる「輻輳」を同時に行っています。

近くなればなるほど、この二つの働きは強く必要になります。

つまり、顔を近づけすぎると、ピント合わせだけでなく、両眼のチームワークへの負担も大きくなるということです。

日本眼科医会は、読書や書き物では少なくとも30cm以上離すことを啓発しています。文部科学省も、学校でタブレットなどを使う際に、眼と画面を30cm以上離すこと、良い姿勢を保つこと、近くを見続けないことを繰り返し呼びかけています。

つまり「近づきすぎない」は、単なる姿勢や道徳観の話ではありません。

近視のこと、両眼の使い方のこと。

子どもの頃から身につけてほしい生活習慣です。

園児に伝わる!パー2個ぶん

「30cmくらい離してね」

でも園児には…なかなか伝わりません。

そこで、みるみるが大切にしている合言葉。

「パー2個ぶんだよ!」

自分の両手を大きく「パー」にしてつなげて、眼と本やノートとの間に「パーが2個ぶん」くらい。

難しい数字は必要ありません。

自分の手で、すぐに確かめられます。

50年以上続く、師匠の合言葉

実はこの「パー2個ぶん」は私たちが考えた言葉ではありません。

私の師匠/辰巳貞子先生が、50年以上前から、子どもたちに伝えてきた言葉なんです。

難しいことを難しい言葉のまま伝えるのではなく、子ども自身が分かる言葉にする。

小児診療多職種学会にて 左)辰巳先生

私は、この考え方をとても大切にしています。

だから今、みるみるプロジェクトでも、園児だけでなく保育士さんたちにも、

「ぜひ園で普段から合言葉にしてください」

と積極的にお伝えしています。

すべての子どもに伝えたい

「パー2個ぶん」は、近視の子だけに限りません。

近視であっても、そうでなくても。

絵本を読む。
お絵描きをする。
文字を書く。
タブレットを見る。

近くを見る機会は、子どもの毎日の生活の中にたくさんあります。
だからこそ、ほぼすべての子どもに身につけてほしい生活習慣と考えています。
特別な道具も、お金も必要ありません。
今日からできますよ。

「背筋までピンと伸びるんですよ」

この「パー2個ぶん」保育士さんたちからとても好評です。

パー2個ぶんって言うと、みんな背筋までピンと伸びるんですよ

子ども同士で『パー2個ぶんだよ!』って声をかけ合っているんですよ

そんな話を聞かせてくださいます。

先生から

「近いよ!」
「もっと離れて!」

と注意されて直すのではなく、

「〇〇ちゃん、パー2個ぶんだよ!」

と子ども同士で声をかけ合う。

まるで遊びのルールのように広がっていくのです。

園児から小学校中学年くらいまでは、この分かりやすい合言葉をとても素直に楽しんでくれます。

「眼に良いこと」は、毎日の生活の中に

「眼に良い食べ物ってありますか?」

もちろん、バランスの良い食事は大切。

でも私は、それと同じくらい

毎日の眼の使い方にも目を向けてほしい

と思っています。

外で過ごす時間をつくる。
近くを見る時間を長く続けすぎない。
本やノート、タブレットに顔を近づけすぎない。

まずは今日から

背筋をピン!「パー2個ぶんだよ!」

辰巳先生から受け継いだ合言葉、これからもたくさんの子どもたちに伝えていきたいと思っています。

平良美津子PROFILE

視能訓練士/みるみるプロジェクト参与

北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、医療法人大里眼科クリニックにて辰巳貞子先生のもと小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て(一社)みるみるプロジェクトを有志らと共に設立。複数の眼科クリニックで勤務しつつ後進の視能訓練士育成/異業種交流(眼鏡店支援/弱視就学支援)/園内視力スクリーニング事業に取り組む。

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