ーみるみる手帳で深めたい弱視治療保護者の理解。弱視治療の主な舞台は家庭にあります!手帳に関係する人々によく確認して欲しい〇〇状況とは⁉ー
こんにちは、視能訓練士の平良です。
みるみる手帳は弱視斜視の治療用管理手帳。
初発行2019年2月から4年が経とうとしています。
私自身、臨床現場で毎日保護者様との
コミュニケーションツールとして記載しています。
あらためて、自身の使用経験を交えながら
手帳の使いかたについてお伝えします。
治療の主な舞台は〔家庭〕
意外と驚かれるのですが、
弱視治療の主な舞台は家庭にあります。
もちろん指示されたとおりの眼科受診は必須ですし
技術豊かなメガネ店での
定期的なメンテナンス/フィッティング調整が
欠かせないと繰り返しお伝えしています。
しかし、お子様のみる力は、様々なモノも見るという
日常生活の中で発達するのです。
保護者様は治療の目的や訓練について正しく理解し、
お子様が楽しんで訓練できるよう
声をかけながら取り組んでいただくことが大切です。
医療情報ページに好評の声
みるみる手帳で最もページ数を設けているのは
「眼の発達とは」「屈折とは」「弱視とは」など、
眼に関する基本的な情報ページです。
とても嬉しいコトに
これらのページは
保護者様から好評のお声をいただいていて
私たちプロジェクトのモチベーションになっています。
発行してあらためて驚いているのは、
保護者様が「繰り返し読んでいます」
というお声が多いこと。
単純なことを書いているようでいて、
実は屈折だとか眼の発達というものが
いかに知られていない/理解しにくい分野であるかがよくわかりますね。
例えば弱視で多い屈折異常の一つ
「遠視」
遠視って本当に理解しにくいと思います。
網膜の後ろで焦点を結ぶと言われても、
具体的に何が見えなくて何が見えているのか
よくわからない。
見えていても大きな調節力を使っている?
…わかりずらいですよね。
この屈折異常は
視能訓練士学生でもメガネ店新入社員でも
本当に深く理解するまで
時間がかかるものだと思っています。
(反省を込めて言うと)
眼科側も、一度説明したらご理解いただけたものと
考えてしまいがちですが、そうではないのですよね。
そういう意味でも、
みるみる手帳は治療卒業までお手元に
置いていただきたいと願っています。
検査項目の理解
前回「コミュニケーション編」、
眼科受診メモページで
私はその日に行った検査項目の名称を書いて
お伝えするようにしています。
その場で詳細説明までは難しいですが、
後日ネット検索でちょっと調べてみてね
とお伝えしたりしています。
意外と、医療機関では「何の検査をしたか」
よく知らされなかったということもあるんです。
ましてや弱視斜視検査は種類がたくさんあります。
(そもそも眼科は検査項目の多い科として有名)
おおよそどんな検査をしたのか、
本当にザックリで良いので
知っていただくと理解を深めることになります。
メガネの意味 装用への理解
特にめがねをかける(装用する)意味についても
繰り返しご理解いただきたいと思います。
これは日常生活での装用に関わる重要なことなんです。
よくある誤解例として、
「裸眼視力が上がってきたからメガネはもう不要ですよね?」
と聞かれることがあります。
この記事では詳しく説明しませんが、
メガネを装用し続けるには眼科的な理由があるのです。
もうメガネは不要/あまりかけなくて良いよね、
と保護者のお考えだけで判断されるのはNGです。
お願い!装用状況の確認を
手帳お使いの皆さん(保護者/眼科/メガネ店)にお願いです。
メガネの装用状況を頻繁によく確認してください。
「学校でしかかけていない」
「休みの日はかけていない」
いつの間にか部分的な装用になっていることも多々ありますよ!
こうした確認も
手帳ページを書く際に大切にしてくださいね。
平良美津子PROFILE
北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、1年間トラックドライバー。医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、一般社団法人みるみるプロジェクトを有志らと共に設立。検査/訓練に立ち会った患児はのべ7万以上。現在複数の眼科クリニックで勤務。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動に積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。
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