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ローズ姫と黄金のめがね

今日は10月1日めがねの日。素敵なニュースです。

絵本【ローズ姫と黄金のめがね】

‐めがねをかけたあなたは美しい‐

英国王室も認めた、11歳の少女による絵本

10月5日 日本語訳刊行

  • 原書「Princess Rose and the Golden Glasses」
  • 文 ロウリー・ムーア
  • 絵 ナタリー・オーウェン
  • 訳 中井はるの
  • ISBN 9784152100597
  • 出版元 株式会社早川書房
  • 1,800円+税

(あらすじ)めがねをコンプレックスに思うローズ姫のもとに一通の手紙が届いた。手紙には、手がかりに従って旅をすれば悩みは解決すると書いてある。「雪だるま」「ガラスの靴」「弓矢」といったキーアイテムに導かれた先に待っていたのは、めがねをかけて美しく微笑むプリンセスの肖像画だった。冒険を通してめがねの必要性とめがねの美しさに気づいたローズ姫は、誇らしげにめがねを身につけた。

(本書に込められたメッセージ)物語には「めがねをかけたあなたは美しい」というメッセージが込められています。日本のアニメや絵本にも、めがねのプリンセスや魔法少女はなかなか登場しません。本書は、自分と似た外見のプリンセスに出会いたいと願う子どもたちを勇気づけ、自己肯定感をはぐくみます。


10月5日発売を前に、早川書房三井さんから「みるみるプロジェクトで紹介していただけませんか?」とわざわざご連絡いただきました。

出版担当者としてのその想いをおうかがいしました。

~めがねをかけていることに自信のない子に読んで欲しい~
早川書房 書籍編集部 三井珠嬉(みついたまき)さん

(みるみる)この絵本は世界中で大きな反響を呼んだそうですね。

(三井)英国在住の著者 ロウリー・ムーアさんは11歳で本書を刊行しました。彼女は1歳の頃から眼の治療のためめがねをかけていたそうです。刊行のきっかけは、9歳の頃にディズニーCEOに書いた手紙。 「私は美しいディズニープリンセスが大好きです。めがねのプリンセスがいないと、めがねをかけた私は美しくないと感じてしまいます。どうかめがねのプリンセスを作ってください」
ディズニーから返事はありませんでしたが、この手紙はSNSで多くの共感を集め、BBCをはじめTVや新聞の取材が殺到しました。

この放送を聴いていたイラストレーター ナタリー・オーウェンさんからロウリーさんに連絡があり、「一緒に本を出さないか」と提案。自費出版されました。

この少女の行動力や想いは大きな反響を呼び、目の健康をサポートするチャリティー団体「クリアリー」の大使に就任。2020年ロイヤルファミリーのウェセックス伯爵夫人ソフィー妃に、セント・ジェームズ宮殿に招かれメガネの重要性を語り合いました。 12歳になった現在も目の健康をサポートする活動を続けています。

2020年には日本のTVでも複数取り上げられ話題となり、「私もめがねで悩んでたから、気持ちがわかる」「めがねのプリンセスを自分で作っちゃうというのがすごい!」などコメントが寄せられました。

▽日本語訳出版

(みるみる)翻訳本を早川書房さんが出すことになりましたね。

(三井)はい、とても嬉しいです。

1歳の頃からかけている少女が「めがねのプリンセスがいない」と行動した力強さ、アクティブさ。ディズニーキャラにいないという事に気づいたことの頭の良さ。“本当の美しさ”にたどり着くというストーリーは、多様性が重視される現代において メガネと関係のない子どもたちにも たいへん魅力的な絵本だと共感しました。

刊行に先立って読者モニター募集したところ、小学校の先生や弱視治療中のお子様の保護者など大人からのお申し込みをたくさんいただきました。

「めがねでも色黒でも癖毛でも子どもがポジティブに考えられる良い絵本だと思いました(小3保護者)」

「めがねをかけた女の子の絵が徐々に自信を持ったものに変わっていく、その過程を眺めるだけでとても前向きになれました(40代)」

と嬉しい感想を寄せられ、これは幅広く皆さんに読んで欲しいと確信しました。

▽めがねのあなたは美しい

(みるみる)三井さんご自身も子どもの眼のこと、とても勉強されていますね!

(三井)わたし自身は中学の頃からめがねをかけていますが、お恥ずかしながらこの絵本と出会ってから子どもの眼について調べるようになりました。ネットでいろいろな情報を読んでいるうちに、みるみるプロジェクトさんに出会いました。

眼についての情報はいろんな内容が錯綜しているようにもみえるなかで、みるみるプロジェクトは専門家の方がしっかりと啓発活動に取り組まれていて、とても信頼性と安心感があると思います。視能訓練士というお仕事も初めて知りました。平良先生のコラムも読ませていただいています。

翻訳本刊行にあたっては様々なことがありました。ロウリーさんとナタリーさんが絵本出版に至るまでの経緯自体がとても素敵なストーリーですよね。

そこで日本訳本にのみ巻末に「この本ができるまで」という特製ページを設けてイラストレーターのharaさんにお願いしました。haraさんはプラスサイズファッションのイラストを手がけ、“世間が決めつけた美しさ”にとらわれない社会の概念を打ち砕くイラスト活動をしている方です。

日本ではまだまだめがねをかけるということにコンプレックスを持っているお子さんや保護者さんがとても多いと感じています。自分は周りと違う…と気にしてしまうのでしょうね。

多様性ダイバーシティが重視されるなか、めがねをかける自身へのコンプレックスは不要だと思います。‐めがねのあなたは美しい‐ロウリーさんに寄せられた共感を皆さんに届けたいですね。

▽妥協せず 読んでいただくための出版を

カラーページが多い絵本は、文字だけの本よりも製造コストがかかります。「本のサイズを少し小さく」などコストカットの工夫案も出されましたが、それでは絵も字も小さくなります。見えにくい子にも読みやすい本であってほしいので、こうしたコストカットは一切しませんでした。文字にはユニバーサルデザインフォントを採用しよう。本の背の部分のタイトル文字はもう少し濃い色で…影を付けて見やすく…とデザイナーと繰り返し相談したり。「どう幅広く読んでいただけるか」という方向で工夫ができました。

本の帯には「りんあんちゃん」こと、りんかさん&あんなさんにお願いしました。りんあんちゃんは日本で最も有名な治療用メガネをかけたキッズモデルですのでぴったりと思いました。

(平良)三井さんの熱意、お話をうかがっていてひしひしと伝わってきます。眼に関わる職種として凄く嬉しいしとても共感します。同じ仕事をするならもっと人に貢献できる内容を!と進んでいく姿はとても美しいです。

(みるみる)日本人はどうも、めがねに対するコンプレックスは海外と比べ特別強すぎるような気がしますね。一説にはかつての徴兵制の名残りといわれることもありますが…例えばマカオやシンガポールに行くとたくさんの人が実に個性的で好きなメガネをかけて歩いています。私たちは「めがねのコンプレックスよりも素晴らしい見えかたの方に目を向けて欲しい」と呼びかけているわけですが、ロウリーさんや三井さんの想い、心から共感します。結局のところ、私たちはほとんど同じ目標に向かっていると言っても良いくらいです(笑)

▽たくさんの人に絵本を知って欲しい

(みるみる)お話ありがとうございました。これは…本当に多くの人に知って欲しい絵本ですね!図書館/保育園/幼稚園/小学校…子どもから大人まで広まって欲しいと感じました。

みるみるプロジェクトとしても、微力ながら絵本の認知度アップに何らかの形で協力させていただきたいと思います。まずは…このブログ読んでいただく事から(笑)

 

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