こんにちは、みるみるプロジェクト視能訓練士の平良です。
夏休みが始まりましたね!夏休みは子どもたちの眼科受診がとても多いシーズン。
そこで今回は夏休みコラム①です。
▷デジタルデバイス時間が長い
可愛らしい子どもたち、眼科外来で「夏休みやね~、どんなことしたい⁉」と聞くようにしているのですが、2●年の視能訓練士生活で子どもたちの答えも時代とともに徐々に変わっているなぁと感じています。
「海に行く~」「カブトムシを取りに行く~」というお話をたくさんしてくれます。このあたり、いつの時代も夏休みのワクワク感は変わりませんね!子どもたちにとって体験するすべてが新鮮で素晴らしい時間であることを願っています。
そのなかで最近は「ゲームたくさんするんだ!」「YouTube見まくる!」といったお話も増えてきました。屋内時間+デジタルデバイスですね。塾の学習にもタブレットが使われるようになりました。
わたしは子どもたちがキラキラ目を輝かせてお話ししてくれることを決して否定しないようにしていますので“悪いこと”とは思いませんが、時代はどんどん変わっていくなあと本当、実感します。
無理もないかもしれません。まず外の環境が変わりました。わたしの子ども時代「今日は30度超えるんだって!」と騒いでいたものですが、いまや6月でも35度超えるような気候。まさに命にかかわるような猛烈な夏。炎天下で無防備に遊ぼうものならすぐ熱中症になってしまう心配がつきまといます。
子どもの安全のために屋内時間が増えても当然かもしれませんね。
加えて2020年初頭から感染症による行動制限で、屋内生活はぐんと増えていました。ここ2年以上こういう状況が続いていますよね。
ましてや、夏休み中はどうしても保護者様の目が行き届きにくくなりますから、この期間子どもたちのデジタルデバイス時間は最も長くなると察しています。
▷近視の増加と進行
こうした生活環境の傾向は、子どもたちの近視の増加と進行(近視の度数が強くなる)に結びついているのではないかと懸念されており、実際に世界的な問題となっています。
近くを連続して見る時間の長さ、太陽光を浴びる時間の短さなどが指摘されていて、テレビなどでも頻繁に取り上げられるようになりました。
強い近視は緑内障など疾患の発症リスクが高いことがわかっており、子どもたちの近視の発症と進行を食い止めたいところです。
▷デジタルデバイスとの付き合い方の基本
眼の状態はその人(子どもも)それぞれ違いますが、眼にとって注意すべきデジタルデバイスとの基本的な付き合い方は存在します。
日本眼科医会は文部科学省とともに積極的に啓発活動をされていて、皆さんも眼科やネットでご覧になったこともあると思います。あらためていくつかご紹介しますので、お子様の見る習慣を確認してみてはいかがでしょうか。
- 姿勢よく、画面から30㎝以上離して見る
- 30分に1回は20秒以上遠くを見て目を休める
- 明るい屋外で(適度に)体を動かして遊ぶ
- 目が乾かないように意識してまばたきする
- 寝る1時間前からは、画面を見ないようにする
▷「パー2個ぶんだよ!」
私の師匠辰巳貞子先生は、ずっと以前から子どもたちに「読み書きするときはパー2個ぶんだよ!」と指導されています。30㎝以上離すといってもなかなかわからないものです。
パー2個ぶん、とってもわかりやすいですよ!
(資料公開)パー2個ぶん!シート ダウンロードページ
平良美津子 PROFILE
北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、1年間トラックドライバー経験。医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、有志らと一般社団法人設立。現在複数の眼科クリニックで勤務。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動にも積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。
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