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子どもは見えにくさに気づかない‐視力矯正が大切 経験その①

みるみるプロジェクト代表の鈴木です。当記事は2021年6月アップ記事ですがPV数が多いため、加筆修正してリニューアルアップとしました。

  • 子どもは(たとえ高校生でも)自身の見えにくさに気が付かない、気が付きにくい
  • 視力矯正によってハッキリくっきり見れば、また違う世界があったのかも
  • スポーツも勉強も。出来る限り良好な見えかたコンディションでのぞんで欲しい
  • スポーツ指導者は見えかたチェックにしっかり配慮して欲しい

“見えにくい”ことに気づかない

当プロジェクトは弱視斜視に限らず、まずは子どもの“見えにくい”という事に周りの大人が気づいてあげる/その重要性を啓発することに力を入れております。

「見えにくい自覚がなかった少年の経験談」

わたし自身の経験で恐縮ですがお付き合いください。

わたしは父の影響もあり小学校4年生から野球を始めました。自転車で40分くらいかかる地域の少年野球チームに入って、ユニフォームやチーム統一スポーツバッグだとかを身につけた時の嬉しさを今でも覚えています。

多少体格が周りより恵まれた方だったので練習や試合ではずいぶんと長打が打てました。正直、プロ野球もあまり見ていなかったのに打つことが楽しくて…という単純な子どもでした。

小学5年生頃から、気が付けばテレビを見るとき顔を少し横に向け、斜めの視線で見るような癖がありました。母からよく叱られました。

※眼科医の先生によるとこれは「フェイスターン」といって見えにくさのサインの一つだそうです

中学に上がっても野球部でキャッチャーでした。同級生のピッチャーがとても肩の良い選手で、ドーンと無軌道に向かってくるような剛球タイプ。ボールの回転とキレで投げ込む球筋のキレイな速球タイプとは別の、伊良部投手(故人)のようなタイプでした。

2年生の中盤くらいからこの選手の球がどうも怖い。

捕球できるのだけれどもどのタイミングでミットに入るのかよく分からないような怖さを感じていました。

高校に入って外野手として入部したのですが、漠然としていた違和感?が強くなりました。

外野で打球を見ていてその勢いの強弱がまるで分らないのです。

たとえば弱い打球なら落下点は前だと判断してダッシュする。

打球が強ければ大きなフライと判断し後ろに下がる。

この当たり前の距離感判断、打球を見極めることがどうにもできないのです。

見えないのかセンスがないのか

高校1年生の後半には、実は自分は視力が悪い?見えていないのではないか?と薄々ながら自身の目に疑いを持ちました。

ただ

「やっぱり自分はセンスがないだけだろうなぁ。要するに下手なだけなんだよな」

との怯えの方が大きかった。

これは思春期にとても辛いことでもありました。

高校になるとボールはそれまでの軟式と違い硬式ボール(いわゆる硬球)。

この硬球はボール自体の弾力性はあまりなく、ボールを遠くに飛ばすにはボールに強い回転を加える事が必要です。ホームランバッターがボールのやや下を叩くのはそのためですしダウンスイングで長打が出る物理的根拠ですよね。

今思えば軟式ボールはこの回転よりも、ボールに与えられる反発力(バットにガツンと衝突したボールが凹んでその反発力で飛んでいく)の要素が強かったと思います。つまり衝突したときの様子で何となく打球の勢いがわかるのです。

硬球はそういうわけにはいきません。

見ていても反発力だけでは推し量れないのです。

ボールの回転具合、バットがミートしたのはどの部分かなど、よりはっきりとした視覚認知が必要だったのではないかと思っています。

結局ほったらかした

自分では何となく「見えにくいからか」「裸眼視力が低い?!」薄々疑いを持っていたものの

「単に自分にセンスがないだけ」

という気持ちの方が大きく、結局高校野球部の約2.5年間、一度も眼科にもメガネ屋さんにも行かずただ日々厳しい練習についていくだけの毎日で終わってしまいました。

いま眼科やメガネに関与する仕事に就く立場として考察すると、近視や乱視など(いわゆる屈折異常)があらわれてきて、裸眼視力が低下していたのだと思います。

野球部引退後の夏休み、運転免許を取るために初めてメガネ屋さんで測ってもらいましたが裸眼視力0.2

自分で「は?」とあきれました。こんなに低いとは。そりゃボールも見えにくいわけだ。

メガネ屋さんによると、「メガネで最も強く矯正(=完全矯正といいます)したら最高で1.5見えてるようですね。初めてのメガネだからそんな強くしませんけど」と説明されました。

あの頃。きちんと眼科受診していればなぁ。

メガネかコンタクトレンズで視力矯正して、もっとはっきりとチームの試合ぶりや打球の行方を把握する事ができたのではないかと後悔しています。

自分への自信を極端に失う前に、見えかたコンディションを整えた状態で臨んでみたかったですね。

私は弱視や斜視ではありませんでした。

しかし年齢とともに屈折異常が変化する事など何も知らず、過ごしておりました。

  • 子どもは(たとえ高校生でも)自身の見えにくさに気が付かない、気が付きにくい
  • 視力矯正によってハッキリくっきり見れば、また違う世界があったのかも
  • スポーツも勉強も。出来る限り良好な見えかたコンディションで過ごして欲しい
  • スポーツ指導者は見えかたチェックにしっかり配慮して欲しい

みるみるプロジェクトは斜視弱視に限定せず、

子どもの「見えにくさ」に

周りの大人が気づいてあげる・

気づきやすい社会づくりを目指しています。

この動機のささやかな一つに、わたしの実体験も数%入っています。


鈴木達朗PROFILE

千葉県船橋市出身/東海大学文学部卒。千葉県で当時珍しいダイエーホークスファン。城島健司選手と同年生まれが誇り。新卒採用された機器メーカーで1週間入社研修合宿⇒最終日に「明日福岡に着任」という無茶辞令を経験。以来福岡県に在住。1年間の無職フリーター経験を経て福岡市内の眼科医療機器卸会社勤務。眼科医/視能訓練士など眼科医療現場の素晴らしさに触れると共にメガネ専門店の運営管理を経験。2020年6月~一般社団法人みるみるプロジェクト代表理事/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム事務局長/同会参画会員。

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