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eスポーツ科学イベントにて

みるみる代表の鈴木です。お知らせしていましたように8月5日福岡市で開催されたeスポーツ科学イベントに参加してきました。そこで感じたことなどをお話ししたいと思います。

▷イベント詳細URLはこちら  https://family-efes.com/

(関連記事)開催お知らせ記事https://mirumirunet.com/news/2883/

▷眼の大切さを知る機会に

眼の健康にとって「ゲーム=悪」という概念は古いものとなりました。もちろん、適切な付き合い方あってのものですが、ちょっと前まで眼にとってまるで天敵のような扱いを受けていたデジタルゲームも、いまやあらゆる世代の日常に溶け込んでいます。

FeRC(福岡eスポーツリサーチコンソーシアム)eスポーツの健全な普及発展に寄与するための共同研究団体です。この「健全な」の理念に共感し参画しています。

▷コンディションチェックが全ての始まり

FeRCではよく「眼に良いトレーニングとかありませんか」「眼が悪くならないですか」と聞かれます。これ、本当に回答困難なご質問なんです。第一に医療に関することなので代表鈴木は極力お答えしないようにしています。眼科医や視能訓練士といった専門家が回答すべきテーマなんですよね。

第二に、これは眼に限ったことではないのですが、人それぞれ眼のコンディションは違いますから、検査も診察もしていない状態で全ての人にお伝えできることは非常に限られる、という点があげられます。たとえば、「身体に良い食べ物ってなんですか」というご質問を考えてみてください。体質によって違いますしまた現在糖尿病の方もいらっしゃるでしょう。Aさんには良い食べ物でもBさんには良くないかも知れませんよね。したがって医師や医療従事者は本人の状態が分からないまま健康に関する質問回答にはなかなかお答えしません。これは医療に誠実であればあるほどそうだと思います。

取材を受ける潮井川先生
視力検査体験

そういうわけで、ゲームeスポーツを巡っては眼に関心が高いところですので、まずはご自身のコンディションチェック(つまり眼科受診)を定期的にしたくなるような、視力検査体験コーナーを提供するようにしています。眼のコンディションとは見え方であり視力でありまた他の眼疾患の有無などを指します。

▷視力検査体験、実は驚かれる

視力検査、というと多くの方が小学校時代に保健室で経験したものを想起すると思います。裸眼で遠くの視力表を見ながら片眼ずつ答える、アレですね。

ですが眼科で行われている視力関連の検査は「屈折検査」「両眼視機能検査」など専門的で多岐にわたる項目があります。

この日、eスポーツ科学イベントでの体験コーナー展開は2回目なのですが、ほとんどの方が「こんな検査受けたことなかった」「こんなに詳しく調べるものなんだ」と驚かれます。

「こんなに詳しく検査してくれるなら、眼科受診してみたいな」そうおっしゃる方がとても多く、私たちにとって嬉しいお声です。人々、特にこども(20歳ぐらいまで)は見え方の変動が激しいことで知られています。今よく見えていると思っていても実は視力低下…は珍しくありません。むしろ多数派かもしれないぐらいです。

みるみるプロジェクトがeスポーツイベントで展開する眼のコンディションチェックコーナー(視力検査体験)
▷視能訓練士の活躍と交流

今回特に嬉しかったのは、FeRCとして参画している視能訓練士さんや視能訓練士を目指す学生さんたちと共に取り組めたことです。おそらく普段はeスポーツとそれほど関わりがないであろう方も参画し、皆さんへの啓発活動ができたことはとても嬉しい人の輪となりました。

視能訓練士は両眼視機能の専門家です。眼科受診の際はお電話であらかじめ視能訓練士が在籍している眼科であるか確認し、受診されることをお勧めします。

みるみるプロジェクトがeスポーツイベントで展開する眼のコンディションチェックコーナー(視力検査体験)
みるみるプロジェクトがeスポーツイベントで展開する眼のコンディションチェックコーナー(視力検査体験)
▷メガネ専門店も参画!

今回このイベントには協賛スポンサーとしてメガネのヨネザワさんも参画しました。

メガネのヨネザワさんは九州一円と山口に展開するメガネ専門店で、シニア層のみならずこどもめがねにも熱心に取り組まれるなど優秀なスタッフと熱意で有名な企業です。eスポーツ専用メガネの販売もすでに手掛けています。

eスポーツは今後あらゆる世代に普及拡大が見込まれるなか、見え方チェックや視力を支えるメガネ販売を担う企業が参画してくれたことは、今後のeスポーツ健全な普及を考えるうえで極めて重要なポイントだったと思っています。

※メガネのヨネザワも加盟 こどもめがね店【みるみるSHOP】

一覧はこちらhttps://mirumirunet.com/list-optician/

▷眼の健康トークセッション!

当イベントでは様々な領域の専門家によるトークセッションが多数行われました。

「一番気になる⁉眼の健康と付き合い方」セッションでは潮井川修一先生福岡国際医療福祉大学視能訓練学科金子清紀先生大原ちか眼科視能訓練士)とご一緒させていただきました。いま注目されている近視の増加と日常生活習慣、スマホ内斜視などについてお二方からわかりやすい紹介がありました。

eスポーツ科学イベントでトークセッションに臨むみるみるプロジェクト鈴木達朗代表理事

代表鈴木からは、子どもたちの見る環境をモニタリングできる初のデバイス「アイケアークリップ」(クリア電子株式会社)の製品紹介を行いました。

子どもたちの近視が急増し強い近視に進行している事例が増えているようだとの指摘がなされているなか、どうも日常生活習慣が影響しているのではないかといわれています。

アイケアークリップは、子どもたちやオフィスワーカーなどのメガネに装着、眼に良い習慣(明るさ、距離、姿勢)が出来ているかモニタリングしスマホアプリで記録できるというもので、たいへん注目されています。

お子様の日常生活をしっかり指導したいけどなかなか付きっきりではいられないし…という保護者様からの関心が高い製品です。8月中旬発売予定。

▷何事もバランスが大切

来場された親子、とくに子どもたちは本当にうれしそうに夢中になってeスポーツを体験していました。

このeスポーツ、どうとらえればよいのでしょうか。

トークセッションで登壇された臨床心理士神崎保孝先生は、「ゲーム=悪」と断じるのはいわゆるモラルパニックだとおっしゃいます。稀に、ゲームばかりやり続け社会生活に支障が出てしまう【ゲーム障害】の事例がありますが、良く調べると本人にとって何かほかの原因がありゲームは唯一の逃げ場になっていることも多いのだとか。

ただ一方的にゲームを危険視し遠ざけるだけでは全くなにも解決しないのだそうです。

(参考)eスポーツとゲームの健全かつ健康的な活用①臨床心理士神崎保孝先生(FeRC記事)

eスポーツ専攻学科のある専門学校【TECH.C福岡】の学生さんたちによるトークセッションでは、専門学校で何を学んでいるか、イキイキとトークしてくれました。彼らのお話は、ゲームが好きという共通項が根っこにありながら、自分たちで考え自発的にオープンキャンパスやイベント企画を立案実行しています。そこには1日中ゲームだけをしているという姿はなく、高い社会性をもった学生像がありました。

作業療法士の植田有貴先生/大川照明先生のトークでは、eスポーツが重度身体障碍者にとってもバリアフリースポーツとして普及が広がっており素晴らしい生きがい醸成ツールになっていることが紹介され、シルバーeスポーツは福岡市内でも高齢者と他の世代を繋ぐ新たなアクティビティとして捉えられていることを教えていただきました。

イベントでは、ゲームで楽しむかたわら、このように関連するサイエンスを体験するなど様々な体験を子どもたちにしてもらい、どんな進路のきっかけにもなる機会にしてくれたらという願いがあります。

eスポーツをどうとらえるか。どう活用するか。取り組む人々の感覚。なにごともバランスが大切なのだなぁとあらためて実感したイベントでした。

eスポーツ×地方創生セッションも。福岡県豊前市から後藤市長も登壇。

鈴木達朗PROFILE

千葉県船橋市出身/東海大学文学部卒。千葉県で当時珍しかったダイエーホークスファン。城島健司選手と同年生まれが誇り。新卒採用された建築塗装機器メーカーで1週間入社研修合宿⇒最終日に「明日福岡に着任しろ」の無茶辞令を経験。以来福岡県に在住。1年間のフリーター経験を経て眼科医療機器卸会社勤務。眼科医/視能訓練士など眼科医療現場の素晴らしさに触れると共にメガネ専門店の運営管理を経験。2020年6月より一般社団法人みるみるプロジェクト代表理事/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム事務局長/運営会員。

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