みるみる手帳=コミュニケーションツールとしての使いかたを視能訓練士平良が解説します。
【眼科受診メモ】ページ活用してますか?
愛情豊かに観察し共有すべき情報とはー

こんにちは、視能訓練士の平良です。
みるみる手帳は弱視斜視の治療用管理手帳。
初発行2019年2月から6年がたち、多くの眼科にお届けしました。
継続的な手帳発行のため2025年7月より販売品となりました。
私自身、臨床現場で毎日保護者様との
コミュニケーションツールとして記載しています。
あらためて、自身の使用経験を交えながら
手帳の使いかたについてお伝えします。
眼科との信頼関係

「弱視治療のコツってありますか?」



「他の子は順調に訓練できているんですか。先生の言われた通りにはなかなか訓練できなくて・・・」



「楽しく、やる気になれる魔法のことば!みたいなのはありますか」
保護者様からも
若手視能訓練士さんからも
ときどき聞かれるご質問です。
コツ…大切なことってたくさんありますので(笑)
…そうですね、治療を力強く進めるコツの一つは



「眼科との良好な信頼関係/人間関係」
だと私は感じています。
投稿くださっている保護者エピソードからわかるように、弱視/斜視と診断された保護者様の心境は複雑です。




うちの子が本当に?
メガネがなぜ必要なの?
このまま受診し続けて良いの?
本当に大丈夫なの?
少なからず戸惑いや混乱がありますし、
本当に?と疑いたくなる気持ちも充分わかります。
屈折とか遠視とか…眼科の専門用語はわかりずらいですよね。
また(自省を込めて言いますが)



眼科は忙しそうで質問しにくい…
というお声もたくさんいただいています。
この状態から徐々に…心穏やかに
お子様との治療の時間を楽しんで前向きに進んでいくには
眼科との信頼関係の構築
が大前提だろうと感じてきました。
眼科では診察ドクターとの関係が大切と思います。
しかし全ての患者情報が集まり診断~治療方針決定まで行う診察室では
なかなか関係構築の時間がとりにくいことも現実です。
そこで、検査の時間を長く共有する
私たち視能訓練士が
コミュニケーションのお役に立つべきと考えています。
平良流 眼科受診メモ


私はみるみる手帳
「眼科受診メモ」ページが最も重要と考えています。
手帳を初めて手にした方は、パラっと読み飛ばしがちなのですが…
🖊 平良がよく書くコト 🖊
(次回受診予定などのほか、特徴的なものをご紹介)
💕保護者様から聞き出したふだんの様子💕
例)右アイパッチは毎日平均して1Hくらい出来ているとのこと♬その調子です♪
💕今日はなんの検査をしたのか💕
例)今日はグレーティングカード(縞視力),スポットビジョンスクリーナー撮影,シノプト(眼位)検査をしました。出来る検査が少しずつ増えてきました!成長って凄いですね!


検査とその意味に興味を
どんな検査をしたか
検査名だけでも書いてお伝えしています。
詳しく解説までは出来ませんが
後からネット検索しても良いですよね。
眼科で何の検査したのか
全く知らずに帰るのではなくて
どういう検査をしてどんな意味があるのか
少しでも知って興味をもって欲しいなと思います。
信頼いただくこと、前向きに進むことの第一歩は
まず「知ること」ではないでしょうか。




保護者の素敵なコメント
保護者様にも書いてもらっています。
など書いてくれると
お互いのモチベーションが上がりますよね。
逆に
と書いてくださるのもとてもありがたいです。
今後の眼科側の配慮の参考になったり、
そのお子様の発達ぐあいの貴重な判断材料にもなるのです。




「書く」は心の共有
関係構築は、
どちらかがへりくだったりすり寄るという次元では成り立ちません。
一緒にその子を愛情豊かに観察し
情報を共有していくことだと感じています。
観察し考えるから”書く”ことができ
文字を通じて伝わるものがあると
現場で手帳を書きながら感じています。


みるみる手帳を通じて
視能訓練士⇔保護者⇔メガネ店が
患児の様子/成長をよく観察いただけたらと願っています。




北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、1年間トラックドライバー。医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、一般社団法人みるみるプロジェクトを有志らと共に設立。検査/訓練に立ち会った患児はのべ7万以上。現在複数の眼科クリニックで勤務。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動に積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。
-
こめめ対談01~成定先生(前編)先生たちに恵まれた弱視治療
子どもたちの眼を守り育てる情熱をもった方々。星和台幼稚園(北九州市)成定 澪 (なりさだ)先生と平良美津子視能訓練士の対談(前編)です。成定先生は園児たちの目に対しても意識が高く先生ご自身の弱視治療経験も交えた有意義な対談となりました。 -
エピソード投稿しませんか~弱視治療
弱視や斜視の治療に取り組んでいる保護者様からのエピソードを募集中!眼科受診/メガネデビュー/アイパッチの思い出など応募ください -
みるみる手帳‐保護者の理解編 遠視とは?こどもめがねは?
-みるみる手帳で深めたい弱視治療保護者の理解とは。弱視治療の主な舞台は家庭にあります!遠視とは?こどもめがね装用の意味とは?手帳に関係する人々によく確認して欲しいメガネ状況とは⁉平良が解説します -
手帳の使いかた‐コミュニケーション編(眼科)
ー弱視斜視治療に寄り添うみるみる手帳。眼科との信頼関係を作るコミュニケーションツールとしての使いかたを視能訓練士平良が解説。【眼科受診メモ】ページ活用してますか?愛情豊かに観察し共有すべき情報とはー -
みるみる手帳 贈りもの編‐弱視,メガネ,アイパッチ…その先にあるもの
みるみる手帳はこどもの弱視治療に伴走する眼の母子手帳。視力グラフ/受診メモ/アイパッチ記録/こどもめがね調整記録など眼鏡店も連携する初の手帳です。制作者の視能訓練士平良がお伝えする、みるみる手帳の使いかたとは。訓練終了後も続く使いかた、伝えたい愛された記憶とは。 -
なんでこの色にしたと?‐ゆめの色
ジェイキッズの眼鏡は、子どもたちの豊かな心と言葉を引きだす世界観。「目をとじて ゆめの色」をご紹介します。 「なんでこの色にしたの?」という問いかけから、子どもたちの感性や大切な思い出が語られ、眼鏡を通じて自分自身を大切にする心が育まれます。この眼鏡は、子どもたちの言葉を引き出し、健やかな成長を願って作られた、心と会話が弾む特別なメガネです。 -
なんでこの色にしたと?‐きぼう色
こんにちは、視能訓練士の平良です。 私の勤務している小児眼科では, 永年にわたり… -
自分を大切にする‐こどもめがねとジェイキッズ
こんにちは、視能訓練士の平良です。 今回はこどもめがねのお話。 眼鏡の国内産地/… -
メガネ店さんにお願い!みるみる手帳活用
まずは弱視治療の保護者さまへ。使い方のお知らせです メガネ店さんで出してね! …
コメント
コメント一覧 (3件)
[…] (関連コラム)手帳の使いかた①コミュニケーション編 […]
[…] (関連記事)手帳の使いかた‐コミュニケーション編(眼科) […]
[…] みるみる手帳の使いかた‐コミュニケーション編 […]