“視能訓練士”という眼科の専門技術職をご存じですか?国家資格であり、特に小児の視能矯正や視機能の検査では欠かせないプロフェッショナルです。
【視能訓練士のみるみるDAYS】では、この視能訓練士の人々にスポットをあて、日常のお仕事の様子や想いをご紹介します。眼科受診のお子様にも、とても頼れる存在ですよ。
Vol.02は、西日本某県内で活躍中の視能訓練士T.Mさんの寄稿エッセイです。
“頑張ってくれてありがとう”
九州某県内 視能訓練士T.Mさん
「最近、訓練を頑張って眼科にいくのが楽しみになってるみたいなんです」
この言葉を弱視訓練をしている子のお母さんからいただいた時、本当に嬉しくなって感動したことを今でも覚えています。
「え、なんでうちの子が…」
弱視と診断された子の親御さんは、誰でもそう思うのではないでしょうか?
辛い目薬を我慢して、眼鏡をつくって、そこからが訓練の始まり。
毎日眼鏡をかけて、アイパッチを頑張る。
我々視能訓練士には、検査をして訓練がスムーズにいくお手伝いをすることしかできません。
だけど、心の底から思うのです。「少しでも視力上がってきて」
目標とした視力が達成できたときの、喜んでいる子と親御さんの姿。
きっと、自宅や幼稚園でアイパッチを頑張ることには、我々が知りえない苦労があったのだと思います。
そんな喜ぶ姿を目にすると、こちらも自然と笑みがこぼれて幸せな気分になります。
以前は目標とする視力まで達成できたとき、「訓練がうまくいってよかった。訓練の方法は間違っていなかったんだな」と思っていたのですが、最近はこう考えるようになりました。
「今まで訓練を頑張ってくれて、ありがとう」
訓練を頑張る姿、目標を達成する姿には「私たち視能訓練士が活躍できる場所」をつくって下さり「頑張って継続することで目標を達成する」ことを大切さを学ばせてもらえているのだと思います。
そして、冒頭にも書いたように「病院にいくことが嬉しい」といった励ましの言葉をもらい、仕事への意欲をもらっているのは我々の方なのかもしれません。
これからも訓練を頑張っている子と親御さんに、感謝する気持ちを忘れずに視能訓練士を頑張っていきたいと思います。
視能訓練士T.M
(編集者)視能訓練士T.Mさん、素敵な寄稿ありがとうございました。お子様・保護者様と一緒に歩む日々のお仕事ぶりが目に浮かぶようで、あらためて視能訓練士のお仕事の素晴らしさを感じます。
みるみるプロジェクトでは、眼科で活躍されている視能訓練士さんからの寄稿を随時募集しております。視能訓練士になったきっかけ、日々のお仕事で思う事、患児のお子様や保護者様へ伝えたい事、なんでも結構です。
-みるみるプロジェクトは視能訓練士さんの活躍を応援しています-
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