“視能訓練士”という眼科の専門技術職をご存じですか?国家資格であり、特に小児の視能矯正や視機能の検査で欠かせないプロフェッショナルです。
【視能訓練士のみるみるDAYS】では、この視能訓練士の人々にスポットをあて、日常のお仕事の様子や想いをご紹介します。眼科受診のお子様にもとても頼れる存在ですよ。
Vol.04は、医療法人恭青会いくの眼科 視能訓練士山田裕華さんの寄稿エッセイです。特に【これから視能訓練士の道を選ぼうとする方々】【様々な就職進路を検討されている方々】にお読み頂けたら…と思います。
“視能訓練士は成長できる職業”医療法人恭青会いくの眼科 山田裕華
視能訓練士の道を選ぶまで
医療系でない4年制大学に通学していましたが、このまま何の資格もなく一般企業に就職することに非常に不安を覚えていました。進路に悩みながら過ごしていると、相談に乗ってもらっていた知人の眼科スタッフの方に「山田さんは視能訓練士に向いてそうだね!」と。聞き覚えのない職業だったので帰って調べると、眼科で国家資格を持っていること、患者さんとお話ししながら困っていることを聞き何の検査が必要か考えて行動していくこと、さらには医師の正しい診察のサポートをしていく大事な役割を持つ職業だとわかりました。また、子供さんの視機能の発達に関わり、積極的に訓練する職であることも魅力的に映りました。
共感、やりがい
視能訓練士として当院へ就職し間もない頃に、祖母の検査をしました。祖母は幼少期から牛乳瓶の底をくり抜いたような強い度数の眼鏡をかけていました。自分が視能訓練士になった以上、今後祖母が少しでも眼で困らないよう出来る事を探してあげられたら、という一心でした。医師と相談し、手術前の検査を担当しました。非常に強い近視で検査は難航しました。経験豊富な先輩に任せたらよかったかな…と思いつつの検査でしたが、祖母は何も言わずに新人の自分に任せてくれました。手術翌日に検査した際に「見えるようになった」と言いながら楽しそうに来院する祖母の姿を見てやりがいを感じました。それからは患者さんへ十分な声掛けと不安な気持ちに共感しながら検査をするよう心掛けるようになりました。自分の家族が患者さんならどうするべきか、を常に考えるようにしています。
山田さんが普段使っている検査用具。「検査が苦手な子でもちょっとでも楽しく検査してもらえるよう色んなキャラクターや物を用意しています」という
自分のことのように嬉しい
さて、当院は子供さんも多く来院されます。初めは出来なかった検査がだんだん出来るようになり、伸びなかった視力がどんどん上がっていくのをみていると、自分のことのように嬉しいです。視能訓練士は、視機能が発達していない子供さんに対し、医師の指示の下こちらから自宅での訓練法を一緒に提案するなど、子供さんの目の将来に関わる重要な責任を持っています。「どうしたら視力があがってくるのかな」、と医師と話し合って今後の治療方針を決めることもあります。
初心忘れず
このように視能訓練士は患者さんの検眼をするだけではなく、医師や患者さんの目のサポートや心のケアなど、色々な方面から考え成長していくことができる職業です。今後も初心を忘れず、学会や本でしっかり知識を取り入れながら更に精進していきたいと思います。
医療法人恭青会 いくの眼科(院長:生野恭司先生)
〒532-0023大阪市淀川区十三東2丁目9-10 十三駅前医療ビル3階
(編集者)山田裕華さん、お忙しいなか寄稿頂きありがとうございました。山田さんは生野恭司院長先生のご指導のもと、学会ポスター発表などたいへん積極的に活動されている視能訓練士の一人です。みるみる手帳についても発行直後からご活用頂くなど、患者様のために成長したいというお心、いつも感じている方です。
みるみるプロジェクトでは、眼科で活躍されている視能訓練士さんからの寄稿を随時募集しております。視能訓練士になったきっかけ、日々のお仕事で思う事、患児のお子様や保護者様へ伝えたい事、なんでも結構です。
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