こんにちは、視能訓練士の平良です。
今日は①に引き続き、小学校入学(就学前)までに子どもたちに準備してあげたい眼のコトについてお話したいと思います。
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【両眼視機能】と【書き】
前回コラム①は「読み」とバーリーディングについてお話ししましたが、今回は「書き」と両眼視機能についてお話ししたいと思います。
両眼のチームワークでモノを見る=両眼視機能、というわけですが文字や絵を書くうえでも両眼視機能はとても大切です。
両眼視機能が弱いと例えば文字行をまっすぐ書いていくことが苦手だったり、ノートのマス目にしっかり入れて文字を書く、などが苦手だったりします。
カイロスコープ
そのチェックの一つに「カイロスコープ」があります。
原理は簡単なのですがちょっと伝わりにくい構造かも知れません。これを考案された方(どなたか知らないですが)凄いと思います。ちょっと写真をよく見てみてください。
カイロスコープは両眼でのぞき込み⇒左眼でイラストを見ながら⇒右眼で無地の紙にイラストどおりに描くというもの。(※右利きの場合。)左右の眼は全く違うものをみている状況ですね。
両眼視機能が良好の場合、左眼で見ているイラストどおりに右眼を使って描くことができます。「左右の眼が同時に」使えてないと全く描けなかったり、イラストとのズレが大きい絵になります。
また家庭訓練を頑張っているお子様の訓練経過の目安にもなります。
眼=脳を育てる!?
両眼視機能をしっかり獲得して発達させたい!とお子様の検査を担当していると、このカイロスコープで描いてもらった絵を見てもその子が豊かに成長されていることを実感します。
最初は両眼視が弱く「のぞき込んでも何にも見えないよ!」と困っていたお子様も、治療用メガネの装用/家庭訓練の成果で徐々に描けるようになりカイロスコープが好きなので眼科に来るのを楽しみにしてたよと笑顔と言葉が豊富になったり。色とりどりのマーカーでキレイなイラストにしてくれたり。
眼科は「眼」を治療する領域ですがまさにお子様の心豊かな成長をお手伝いしているんだなぁと実感しています。脳を育てる、というと気難しく聞こえてしまいますが…「眼」だけにとらわれずお子様一人一人の成長そのものに立ち会えるというのがとても嬉しいですね。
「書き」の難易度もどんどん上がる
小学校6年間中学校3年間、1学年上がるごとに教材も書くべき内容もどんどん難易度が上がりますよね。ノートのマスの大きさ・行の詰まり・漢字の複雑さなど驚くほど速いスピードで上がっていきます。アルファベット(英語)や√(ルート)などの特殊記号も登場します。「読み」「書き」ともに良好な学習環境には両眼視機能がとても大切なのです。
両眼視機能を早く発達させて、可能な限り良い学習環境で就学させてあげたい…師匠辰巳貞子先生の想いと理由をこのコラムで一つずつお伝えできたらと思います。
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