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みんなで応援!弱視治療と保育園

視能訓練士の平良です。

今回は、保育園の視力検査活動の中でのエピソードについてお話しします。

保育園で見つかった弱視

みるみるプロジェクトでは保育園/幼稚園内の視力検査活動をおこなっています。

注/福岡市にて。八王子市では「八王子パイロットプログラム」を推進中。

園内で視力スクリーニング検査を実施⇒見えかたが気になる園児は保護者に眼科受診をお薦めする活動です。

主に3~6歳で占められる園児世代。3歳児健診~6歳就学前健診の合間で…この園児期間、実は視力の成長にとっても大切な期間です。

いろいろなものをハッキリと見ることで育つ眼と脳。心豊かな成長。

この期間に「見えにくさ」があると眼の成長が阻害される恐れがあり、これが「弱視疑い」ということになるわけです。

私たちは園内視力検査の後も、「その後きちんと眼科受診してくれたかな」と園を再訪問します。

眼が健全に発達しているかは、眼科における精密検査によって判断されるからです。

平良さん、その後の眼科受診で弱視治療になった園児が3人いますよ!見つかって良かった。早速めがねをかけていて、とっても可愛らしいですよ!

教えてくださったのは堅粕保育園(福岡市博多区)の上里利香園長先生。

上里園長は園児の健全な成長に全力で取り組んでいらっしゃって、食育,外遊びへのお考えなどいつもお話を聞けば聞くほど尊敬する園長のお一人です。

治療患児の変化とは

リスペクトする上里園長といつもお話が尽きません

保育園は(場合によっては)家庭よりも長い時間いる場所。

保育士さん達は誰よりも園児と一緒にいる存在です。

上里園長に治療用眼鏡装用後の園児の様子についてお尋ねしたところ

〇〇ちゃんは早速笑顔が増えて感情豊かになったように思います。発する言葉も急に増えてグンと成長した感じ。きっとクリアに見える結果だろうなぁと感じています。

そう、これ私たち小児眼科に従事する者の実感でもあります。

必ずしも一人ひとり確定された因果関係ではないかも知れませんが…

実感として本当に多くの治療患児にこうした変化があるのです。

こうしたお話をうかがうと、「さすが保育のプロだなぁ」ととてもシンパシーとリスペクトを感じます。

私たちが園内スクリーニングにこだわり、子どもに関わる職種を頼りにするポイントはここにも由来します。

きらきらした笑顔と出逢って

わざわざこの園児たちが逢いに来てくれました。写真はプライバシー保護のため修正していますが、この日出逢ったこの園児二人ともスクリーニング検査⇒眼科受診の結果、弱視治療となりめがねをかけてくれていました。

「わぁ、とっても可愛いめがねだね!〇〇ちゃんが選んだの?いつもかけてるって園長先生言ってたよ、私とても嬉しいな!」

私はこんな感じで声をかけています。

二人ともちょっと恥ずかしそうに、でもとても素敵な笑顔でお話ししてくれました。

このめがねを通して いままでより 見える世界。

見るもの全てが心豊かな成長につながるこの大切な日々に、

この子たちはどんなことを感じているんだろう?

何とも素敵で可愛らしくてキュンとします。

このお仕事に携わって本当に良かったと思える瞬間です。

園全体で包み込む

弱視治療には、治療用眼鏡が必要です。

かけなければみる力が育ちませんので、眼鏡をきちんと装用してくれるか否かが治療の成否を左右します。

私たち眼科関係者には

家庭でも保育園(幼稚園)でもかけ続けてくれているだろうか

という心配があります。

患児保護者のなかには

保育園(幼稚園)でもちゃんとかけてくれているかな

お友だちにからかわれたりしないかな

と心配する方も。

堅粕保育園では、園長先生はじめ保育士みなさんが日常の園児の様子から「見えにくさはないかな?」と気にしてくださっていて、弱視が見つかり治療に取り組むことそのものを園全体で応援してくれています。

私たちの勉強会でも熱心に参加くださり…

先生/保護者/園児たちみんなでめがねをかけることを応援しよう!と素晴らしい雰囲気です。

「可愛いね!とっても素敵なめがねだね!」

「今日もちゃんとかけていて偉いね!」

そんな素敵な雰囲気のなかで、園児たちの健やかな成長を感じた嬉しい日でした。

心豊かな成長を見守る

眼鏡装用はゴールではなくスタート。

園庭に咲くお花、お友だちのお顔、雨の日の水滴、絵本のイラストや文字。

これからいろいろなものをみて心豊かに発達するのは、眼だけではないのです。

周りの大人みんなで見守っていきたいですね。

平良美津子PROFILE

北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、1年間トラックドライバー経験。医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、有志らと一般社団法人設立。現在複数の眼科クリニックで勤務。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動にも積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。

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