こんにちは、みるみるプロジェクト視能訓練士の平良です。
夏休みはお子様と保護者様が一緒に過ごす時間が増えるシーズンでもありますね!
今回は夏休みコラム③です。
不同視弱視などの場合、眼科で遮蔽訓練を指示されることがあります。
遮蔽訓練とは、弱視や斜視の治療のために視力の良い方の眼(健眼)を遮蔽し、悪い方の眼(患眼)を強制的に使用させて視力の発達を促す訓練のことです。
遮蔽にはアイパッチや布アイパッチが用いられます。
アイパッチの時間ですが、「1日3時間してください」など時間の指示もあります。
この時間はお子様の状態によって違いますので、必ず眼科の指示に沿っていただきますようお願いいたします。
また、早く治してあげたいというお気持ちから、
「一日じゅうアイパッチしています!」という保護者様も稀にいらっしゃいますが、
この場合こんどは遮蔽していた方の健眼が弱ってしまう(遮蔽弱視)ことも起こり得ます。
極端なやり過ぎに注意して、あくまで眼科指示の時間を目標に取り組みましょう。
ここでは「初めてアイパッチ訓練に1日3時間取り組むよう指示された」という仮の想定でお話しします。
最初から3時間通してアイパッチしてくれるお子様はほとんどいないと思います。
なにしろ、見えにくい方の眼だけを使うのですから嫌がるのは当たり前ですよね。
最初、多くの保護者様が我が子が嫌がるので苦しい思いをされるようです。
大丈夫。皆さん状況は同じです。慌てず、楽しんで取り組みましょう。
今回は、どうやって目標時間に近づけようか?の工夫についてご紹介します。
3時間通して出来なくても良いんです。
わたしは外来で保護者様に毎回、訓練状況を聞きながら、
難航しているようであれば次のようにアドバイスさせていただいています。
☆乳幼児でしたら… 朝のうた番組の10分だけしようね!☆
☆絵本を読み聞かせで…2冊だけアイパッチで頑張ろうね!☆
☆YouTube見るなら… 「この動画15分見ようね」と計算して見せる☆
☆この一つ一つを出来るたびに褒めてあげる☆
☆小学校に入ると帰宅してから遊び/習い事/宿題でアイパッチ時間も平日は中々取れない…平日出来なかった分を休日少し多めに頑張る
…と、 ≪積み重ね≫ で目標時間に徐々に近づいていけたら良いと思います。
一日の中でアイパッチした時間を合計して、目標時間に徐々に近づく…という考え方ですね。
アイパッチ訓練のヒントにしていただければ幸いです。
みるみる手帳第4版で新たに新設した「アイパッチの記録」ページは、この考え方に基づき毎日の合計時間を記録していくページにしました。
午前と午後、アイパッチできた時間を合計する形式にしています。
アイパッチ記録ページのみをダウンロードすることもできます。
よろしければ下記からご自由にダウンロードのうえ、ご活用くださいね。
https://mirumirunet.com/recording-sheet/index.html
皆さまのアイパッチ訓練が楽しく着実に前進されますように☆
最初からすんなり出来ることは稀
朝のうた番組の10分だけしようね!
絵本の読み聞かせで…2冊だけ頑張ろうね!
YouTubeで…この動画15分だけ見ようね!
一つ一つ出来たことをほめてあげる
平日出来なかった分を休日少し多めに頑張る
北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、1年間トラックドライバー経験。医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、現在複数の眼科クリニックで勤務。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動にも積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。
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